鱒寿司のうた

 

空路か陸路かしらないが、

はるばるわが家へやってきた

しめつけられて、辛かろう

楽にしてやろ、ほどいてやろ

 

ようやっと荷がおりた

灯りをつけて、お茶わかし

心は浮かれる 仕方ない

湯気の暖簾をかきわけて

笹の衣をめくります

 

鱒寿司じゃ

おお鱒寿司じゃ 鱒の寿司

 

ほのかなすっぱさに混じるのは

日本海の静けさよ

ここは反対側の太平洋

中間地点はどこでしょう

 

おかずはいらない、むしろ邪魔

酢は完全に梅雨に克つ

玄米茶だけを道連れに

 

鱒寿司じゃ

おお鱒寿司じゃ 鱒の寿司